海外駐在で英語力はどれだけ伸びたのか【TOEIC500点の駐在員】

英語が出来ないのに海外駐在の辞令が来てしまった…。
語学面の理由から駐在生活に不安を抱く方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、英語ができず苦労した経験を持つ私(アメリカ駐在員)が、
英語力に不安のある方へ
向けて「英語という壁の乗り越え方」を実体験を通してお伝えします。

海外駐在で英語力はどれだけ伸びたのか【2年間の変化】

赴任前

そもそも、私は英語が大の苦手です。
中学では英語の補習クラス常連、大学入試でも英語に足を引っ張られて苦労した記憶があります。
その後もできる限り英語から逃げ続けました。

当時は、将来自分が英語を使って仕事をする日がくるなんて一ミリも思いませんでした。

そして海外赴任の辞令を貰った時のTOEICのスコアは500点程度。

もちろん英会話は全くといって出来ません。
完全な勉強不足、そして実力不足でした。

辞令が出てから数ヶ月後には海外へ赴任しなければならず、そこからはかなり忙しい日々が続きました。
ろくに事前学習も出来ないまま手続きなどの申請を行い、慌ただしく出発しました。

赴任後(1年目)

体感の英語理解度:10%


とにかく、何も分かりませんでした…。

仕事どころか日常生活でも非常に困りました。
マクドナルドでも店員の質問がわからず、ハンバーガーとコーラをひたすら注文する日々。

会議は意味不明、メールは翻訳ソフトを駆使。
読むのも書くのも遅すぎて、大した業務量でないにも関わらず、毎日深夜までかかっていました。

先輩や上司にたくさんフォローして貰っていて、本当に迷惑をかけたなと…。
当然、そんな状態ですから現地社員からも相手にされません。

文法・単語・発音・リスニング、全てのスキルが足りないことを強く実感しました。
このままでは仕事にならないので、自腹をきって語学学校へ通うことを決めました。

平日は深夜まで仕事して、土日は語学学校へ通う日々を半年間続けました。

とにかく辛かった。

赴任後(2年目)

体感の英語理解度:30−50%


ある時、自分が英語を少しわかってることに気づきました。

2年目に突入した頃ですが、周りから英語が上手くなっているとよく言われるようになりました。

とはいえ、英語の上達を明確に感じることは難しかったです。
もやのかかったガラスが徐々にクリアになるようなイメージに近いかもしれません。

自分が背景知識を知っているトピックに限定されますが、
仕事で現地社員の話している内容が大枠わかるようになっていました。
また簡単なディスカッション程度ならば問題なく行えるようになりました。

私生活でもレストランで店員のオススメを聞いて注文できるくらいには成長しました。

試しにTOEICの模試を受けてみたところ、スコアは800点を超え。
自分でも驚きました。

よく言われる、600点の壁・730点の壁を一気に突破していたのです。

しかし... やっと現地社内の業務遂行を行う上で必要最低限の英語力になったかな、という程度の感触です。

高度な交渉を必要とする営業はまだまだ難しいです。
また、ローカル社員をスムーズにマネジメント出来るほどのレベルには程遠いと思われます。

ちなみに、留学経験あり・TOEIC 900超えの友人でも、体感英語理解度:60%程度とのこと。
TOEICの点数や留学はもちろん糧にはなりますが、やはりビジネス英語はまた一味違うようです。

工夫したこと・やったこと

英語が出来なくても仕事を進めるために

  • 英語力の低さをカバーするために、資料やスクリプトを準備して会議に参加する。
  • わからないところは、しつこく何度も聞いたり、後でメールを送って確認する。
  • 現地社員の信頼を得るために、面倒くさい雑用のような仕事も積極的に担当する。

英語力を向上させるために

  • 積極的にローカル社員の席へ足を運んだり、電話してコミュニケーションを取る。
  • 会社の福利厚生を利用して、補助を貰いながら語学学校に通う。
  • 会議でわからない言葉が出てきたときは調べる。
    ※初めの頃は、会議を録音して何度も聞き直してました。
  • 現地社員のメールを書き写して、生きたフレーズを自分のものにする。

ツールを活用する

  • 会議や会話をボイスレコーダーで録音して何度も聞き直す。
  • Teams会議の場合は、自動翻訳を字幕で表示する機能があるので活用する。
    ※英語の上達を妨げる要因にもなるため、本当は極力使わないのがベストなのですが…。

英語ができなくても、海外駐在はできるのか

英語ができなくても海外駐在はできます。

しかし、私の経験が示す通り非常に苦労はしますし、もちろん出来ることに越したことはありません。
当たり前ですが、これから海外駐在を目指す方であれば早めの準備をおすすめします。

海外生活をする上で、「言語」の壁は必ずぶち当たります。
私が2年間かけて英語を伸ばしたこの経験が、皆さんの励みに、また参考になれば嬉しいです。